政策

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目を覚まし仏壇に手を合わせる。 日課を終えいつものようにニュースを流しながら着替え始める。 画面に五代総理が映し出される。上の方にあるテロップには新政策とでかでかと書かれている。 昨日のしんちゃんとの話を思い出し画面を見つめる。五代総理の演説が始まった。 「近年、日本は世界からなめられています。 それはなぜか?武力をもっていないからです。世界は我々を脅威と思っていないからなめているのです。 今こそ武力をもつのです。世界に我々の力を見せるのです。そして私は強い武力をもつには強い国民を作る必要があると考えます。なのでこのような政策を実行します。」 しまった。時間が無い。 気になるが学校に行かなければ。 学校に着くと皆がざわめいていた。 事情を聞こうとしんちゃんに話し掛けた。 「なぁしんちゃんなんでこんな騒がしいんだ?」 「お前、朝のニュース見なかったのかよ!」 「時間がなかったから見れてないんだよ」 「あの五代とかいう総理が変な政策考えやがったんだよ!」 「どんな?」 「全国の高校2年生を対象に・・・!!!」 ガラッ 「全員、体育館に行け。学年集会だ。」 ドアを開けてしんちゃんの言葉を遮ったのはザキさんこと担任の山崎先生だった。 「学年集会?」 「五代の政策の話さ・・・くっそなんでオレ達が・・・・」 しんちゃんの言葉の意味をまったくわからぬまま体育館に向かって歩きだした。 体育館にはもうほとんどのクラスが集まっていてウチのクラスだけがまったく並べていなかった。 「早く並んでー!並んでー!」 「早く並べって!またオレらがザキさんに怒られんだろ!」 前でワーワー騒いでんのは学級委員の森と飯田だ。 「わかったわかったーわかったから飯田顔芸やめてー」 「おいまじそのフリされるとオレがすべったみたいになるからやめろよー」 相原が飯田にだるガラみをしている。こんなほのぼのとした雰囲気を学年主任のザキさんの話がぶっこわした。
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