東雲

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16歳になり店の裏方を手伝ってた時、とある豪商が偶然目にした悠翔に一目惚れして買おうとしたが、店が拒否した上に粘る豪商を無理やり追い出した それに怒り狂った豪商は、悪漢を雇って悠翔を無理やり誘拐し、さらに店に火をつけて女達を全員始末するという惨劇が起こった。 豪商の元に連れて来られた悠翔は大暴れした果てに豪商を殴り倒して逃亡 しかし、すぐに雇われの悪漢に見つかる 男は今逃げれば暴力罪を問われ罪人になるから逃げずに豪商に元に帰れと諭すが、悠翔は聞き入れず何も知らないまま店に帰ろうとする そんな悠翔に店の惨劇を見せるのは惨く、そして今戻れば女達と同じ運命になると思い、男は咄嗟に嘘をついた 「実は金に困っていた店がお前を売った。金を取りに行った時、お前の為に厄介事に巻き込まれるのは御免だと言っていた…長年我慢してきたがこれでせいせいする、と」 今まで信じてたものに裏切られたとショックを受け、だからと言って豪商の元に行く気にもならず、また帰る所を失った悠翔を見かねた男は西国に連れて帰った 西国に渡れば男が所属していた盗賊団に所属する事になる。 金持ちの家を強盗したり、悠翔の件のように雇われて汚い仕事を生業にする一団。 その中で、吹っ切れたように仕事をこなしていく悠翔は特殊能力の事もあって頭に気に入られたが、女子供も容赦ないやりように男は心を痛めた。 あの時、嘘を付かずこんな所に連れてこけなければ…と。 そんな気も知らずに悠翔は手を汚し続けて、18歳になったある日、耐えきれなくなった男は全て打ち明けるを決心にした 本当は店の女達が悠翔を取り戻そうと必死になりつつも叶わず散った事を聞いた悠翔は怒り、何故今まで黙っていたのかと匕首を抜いて詰め寄ったが男は抵抗せず言った 『お前と居ればこんな日がいつか来るのは解っていた、けれど、気になって離れられなかった…許してくれと言うつもりはない…だが、あの時ああ言わなければお前もあの女達同様に死んでいた』 その言葉に仇でありながら己の命の恩人でもあり今まで側で見守り続けていた男を斬る事は出来ず、かと言って許す事も出来ずに悠翔はその場から飛び出した その後、名前も素顔も過去も全て捨て、色んな場所や人の間を放浪としているうちに自分らしさを取り戻し、昔遊女達に教えて貰った芸を糧にしてふらふらと自由気ままに旅をしている
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