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とある教室に一人の少年がボーっと外を見ていた。
彼――影山志紀は午前中の授業が終わり昼休みになると今日は特にすることがないのかずっと外をみていた。
「どーしたんだ?志紀」
そんな志紀に声をかけてきたのは北條彰宏(ホウジョウ アキヒロ)だ。
彰宏とは高校で出会ったのだが、彼は小説でいう主人公のような立場だった。
彰宏は、顔と性格がいいためかなりもてており、中学時代には学校に在学している女子の半分に告白されているが、そっちの方面にはまだ興味がないらしくすべて断ったという伝説が残っているほどだ。
噂では喧嘩が強く今まで何百人と病院送りにしたと言われている。
いつもなら何人かの女子が近くにいるのだが、今は珍しく誰もいなかった。
「ん? ただたんに、まだある授業が面倒くさいだけだよ」
「相変わらずだな、お前は」
「ほっとけ。もう俺は寝るからあっちいけ」
そう言いながら腕を枕にしながら机に突っ伏し片手であっちに行けと手を振る。
その理由は、主人公みたいな彰宏のことが、簡単にいえば嫌いだったからだ。
自分とは全然違う生き方をしている彼が嫌いだった。
そして、放課後になるまで志紀は意識を手放した。
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