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二人の吸血鬼に追いつめられた志紀は顔にうっすらと冷や汗を流していた。
志紀自身能力を使えるがリスクも高いのであまり使いたくないようだ。彼らに対抗できるものは最近、魔物に出会った場合用に学校がいつも所持するように義務づけられていた魔物に効果がある力を付加した護身用のナイフ一本だけだった。
効果があるといっても、そこまで強いものではなく少しでも逃げる隙を作るためにあるようなものだった。
吸血鬼たちは、誰でもわかるような強い殺気を放っておりすぐに志紀を殺しそうな雰囲気だ。
このままでは確実に殺される、と直感で感じた紀はナイフを右手でしっかりと持つと入ってきた道にいる吸血鬼に向かって走り出した。
まさか向かってくるとは思わなかったが吸血鬼は即座に反応して手を繰り出す。
しかし、志紀はそれを人間ではとうてい出せないような速度で交わし、ナイフを吸血鬼の心臓あたりに突き刺す。
返り血を浴びることさえきにせずに、その勢いで影がある路地からまだ太陽の光がある表の道につきだした。
だされた勢いで吸血鬼のフードがとれ、顔が露わになる。
「グワァアアァアアアァ!!」
吸血鬼は叫びながら顔を押さえて苦しんでいたが、徐々に煙を出しながら完全に消えてしまった。
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