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仲間が太陽によって消えたのを目撃したもう一人の吸血鬼は、その場からふつうではあり得ない脚力で近くの建物の屋上へにげていったようですでに路地には志紀ひとりになっていた。
志紀はナイフを元の場所に戻し、刺した吸血鬼がいた場所をみていた。
「…以外とうまくいくもんだな」
さっきまで、いきるか死ぬかの瀬戸際だったのにも関わらず、すでに冷静になっていた。
ふと、吸血鬼がいた場所をよくみてみるとなにやら綿飴のようにふわふわとしたものが浮いていた。
「……ヤバい」
そう言って離れようとした瞬間浮いていたものが急に志紀の体の中に入り込んだ。
すると突然、体が引き裂かれそうな痛みが全身に伝わってきたからだ。
かなりの痛みでうめき声さえ出せないがいつの間にか視界内に世間一般的な形の自宅が映ったので気力を振り絞って歩き出した。
その光景を少し離れていたビルの屋上でみていた人影がおり、どこかに電話をしていた。
「確かに情報通り彼が適任のようだ。
それでは任務を遂行する」
電話をきると屋上から降りビルの影の中に消えていった。
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