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その人間がいたのは、先程の荒野から遠く離れた街の中心地だ。
回りにも大きなビルが建っていることから、ここは結構な都会……それも都心なのだと分かる。
その中でも群を抜いて高いビル、そこに人間は入っていく。
回りの人々は、純白のローブをまとった人間を見ると驚愕に表情を染める。
そして、恭しく一礼していく。
人間はその人々に一瞬目を配るが立ち止まることなく、ビルの中を進んで行った。
ビルの中に設置された転移魔法陣の上に乗り、消えた。
その魔法陣は特殊なもので、最上階のみに繋がっている。
そして最上階は、最高取締役の部屋のみがある。
最上階は、限られたものにしか通常は入ることはできない。
緊急事態の時は別なのだが、そのことからこの人間は特別なのだと容易に分かった。
人間は最上階に着くと、目の前にある大きな扉を開ける。
?「今、帰った」
?「お疲れ様、速かったわね」
開け放した扉を抜け、人間は声をかけると中から女性の声が返ってくる。
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