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ミ「長くなったわね、髪」
目を細め、眩しいものでも見るかのような仕種を見る。
郁は髪を手でもてあそびながら、答えた。
郁「俺の場合は特殊だから」
一瞬、顔を哀しそうに歪めた。
その表情にミリアも同じように、表情を哀しみに染める。
静寂が部屋を包んだ。
しかし、自分のせいだと郁に自覚はあったのか笑顔を作ってミリアに見せる。
その笑顔は完璧で、他の人には見破られないだろう。
しかし、ミリアにはそれが余計に悲しかった。
ミ(何で、こんなに自分を隠すのが上手いの…)
そんなことを思いながらも、ミリア自身もこの空気をどうにかしたくて無理に話をふった。
ミ「郁、今年で17よね?」
郁「…?
あぁ、そうだが…」
ミ「じゃあ、決まり
カリシュアル最高取締役として最高司令官
魔剣に命じます
シュベルク学園に転入すること
異論は認めません!」
郁「……本気?」
あくまでも冷静な郁であった。
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