第15章

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千「一時の休みってことか…?」 結界の際辺りから返ってきた千里が、ドカリと椅子に座る。 その額にはうっすらと汗をかいていた。 今までは飄々とした姿しか見たことのない俺には珍しい姿だった。 優「手強かったか?」 千「何匹かは  それよりも数が多くてな」 優和が千里の頭に手を翳して、力を込める。 淡い光が千里を覆った。 結界の中から戦っているため、外傷はない。 しかし、魔力の消費は著しかった。 千「……!」 大人しく回復を受けていた千里が急に立ち上がり、走り出す。 最初は驚いていた優和も千里について走りだした。 俺たちには何が何だか分からずに互いに顔を見合わせた。 しかし急に強い重圧を感じて、膝をつく。 脂汗が流れ出た。 千「失礼します!」 千里が何かを叫んだかと思うと、重圧はふっと消えた。 慌てて、立ち上がろうとするが、その前につんと鼻につく匂いが気になった。         
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