第15章

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魂の契約。 その話はよく聞く。 男女が互いに掌に魂を持ち、天に捧げる。 そして、それが離れた瞬間パタリと体が倒れる。 郁「魔界の扉は閉じられた  そして、子供達は人間界を繁栄させていった」 臣「だが、魔界の扉はまた開いてしまった  俺達の力が足りなかったんだ」 郁「また多くの人が死んだ  俺達がそれを嘆くと、  神様達は生まれ変わる力を与えてくださった  そして、また契約を行い扉を閉じた」 何度も繰り返される契約。 何度も倒れる1組の男女。 それが兄貴と郁の顔に見えた時、とっさに郁の腕を掴んでいた。 ほぼ、反射で動いた体。 自分でも何を郁に言いたいのかはわからない。 ただ、途端に郁がひどく儚く見えたのだ。           
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