第15章

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郁「イヴは力を望み、男になりたいと願いました  そして、やっとその願いが叶いました  確かに純粋な力では俺は普通の男の人にでも  負けてしまいます  けれど、それでも女の身よりはマシでした」 臣「それに加えて、莫大な魔力を持った  きっと、この体で持てる最大の魔力だ」 やんわりと掴んでいた手を捉え、握り締められる。 暖かな体温。 俺よりも少し高いそれが、胸にしみわたる。 郁「これでやっと、イヴも戦えます  もうアダムの背で守られるばかりでは  我慢できなかったから」 臣「イヴとアダムが共に闘うんだ  もう、今まで通りにはいかない」 鋭い目に息がつまりそうになった。 俺ではない遠くを見ている瞳。 きっと、あいつを見ているのだろう。 呉「1つ、聞いてもいいですか?」 おずおずと、迷いながらも声をあげる呉羽に視線が集まる。 それに戸惑いながらも、呉羽は口を開いた。 呉「臣たちが戦っているあいつは一体何者なの  ですか?」          
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