第15章

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優れていることは更なる欲を生む。 欲は人間らしさだ。 その点、郁と兄貴からはその人間らしさが見えない。 俺が知らないだけかもしれないが。 確かに兄貴たちは何もかもに優れていて、これ以上望むものはないかもしれない。 郁「堕ちたルシファーは魔界の門の奥に  取り込まれた  欲深かったあいつは門と同化し、  更なる力を手に入れた」 けれど、綴られたストーリーに逆らわずにいるようにも見える。 俺だったらきっと、前回の時にもう全てをやめてしまっているだろう。 人に裏切られ、殺された時に。 それが人の抱く、恐怖と逃避だ。 しかし、2人は決して逃げようとしない。 臣「更に脅威にはなったが、便利なこともあった  あいつが門と同化してくれたおかげで、  あいつを封印すれば門も閉まるようになった」 郁「だから、俺たちはあいつと戦う  あいつを消滅させることが出来れば、  門はこの人間界から消滅する」 それは美学かもしれない。 けれど、人間らしくは思えない。 門を封じることは、郁たちが命を手放すことだ。 どうして郁たちはそれを恐ろしいと思わないのか。            
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