第15章

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俺は恐ろしい。 明日、郁の体温が消えるかもしれないと思うと。 臣「けれど、今までは戦うことすらできなかった  力が無さ過ぎた」 郁「だから、あいつが目覚める時期が近付くと  何もせずに、契約を交わした  それが、この世界を守る最善の方法だった」 何故、生きることを願わない。 何度も生まれ変わり、記憶を受け継いできたことの代償なのか。 郁はあまりにも死に対しての恐怖が薄い。 郁「今回はアダムが女神様に連れ去られるほどに  力が強くなった」 呉「臣が行方不明だったのは、  神様のせいなのですか?」 だから、背を向けて仲間をかばう。 幾ら傷を負っても笑っている。 今でさえも、笑っている。 臣「強すぎる黒の力のせいで、  郁が生まれることが出来なかった  それに例え生まれていたとしても、  すぐに死ぬ可能性があった  黒と白の力は、悪い意味でも対等だ  少しでも多い方に天秤は傾く」 郁「本当は俺と臣は当時に生まれるはずだった  けれど俺が男になって、ずれが生じた」           
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