第15章

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千「…なんだ、これは……」 ザワリと騒いだ周りに、寝かせていた身体を起こす。 先程までは魔物たちで真っ暗だった世界が、何故かいつもの景色に代わっていた。 良く見てみれば、あれほど密集していた魔物たちが消えている。 いや、消えたという表現はよくない。 千「お前ら、下がれ!」 この陣から離れていっている。 それもかなりのスピードで。 まるで、何かから逃げるように。 結界際で戦っていた戦闘員たちが中央に戻る。 白の時計に目をやるが、まだ動いていない。 優「おい、お前ら、立て」 静かな声に反論する者もおらず、回復を待っていた者たちは立ち上がる。 それほど、この雰囲気の異様さを感じていたのだ。 ル「ふむ、  やはり結界内への侵入は難しいか…」 ズクンと重圧が体を襲った。 ル「まぁ、よい」 結界外に現れたあいつ。 ちらりと眼があった気がした。           
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