第15章

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郁目線 ジワリジワリと血が滲む。 傷口を抑えつけた手から、あふれ出る赤い液体。 郁「……ごほっ…」 衝撃で口の中を軽く切ってしまったらしい。 舌に感じる鉄の味に気持ちが悪くなる。 視線だけ周りに向ければ、西條先輩の前に臣が立っていた。 その左わき腹からは黒い矢が突き出ている。 そして足元には赤黒い水たまりが出来ていた。 潤「郁、どうして……」 潤先輩の声が聞こえた。 己の手元に目を向ける。 臣と同じように、左わき腹から矢が突き出ていた。 ル「そこまでして、人を守るか…」 ルシファーが転移した先が分かった時、闇の力が感じられた時。 体は自然と先輩と力の間に入っていた。 それは、ほぼ反射。 ル「くくくっ  では、遊ぼうぞ!」             
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