第15章

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次々と迫る矢。 我が身を守ることも大事だが、それ以上のもっと大切なことがある。 郁「下がれ!」 矢によって付き破られた結界を縮小し、密度を高める。 そうすることで多少はまかなえる筈だ。 矢を受けることは1人では不可能だ。 そして、今は臣と2人で後ろの結界を維持させるのに精一杯。 当然、矢は体に刺さり、擦れ、肉を抉る。 痛みで意識がぶっ飛びそうだ。 ご丁寧に、急所は外してある。 少しでも長く、俺達と遊べるように。 郁「…っぐ……」 臣「かはっ……」 一時、矢の猛攻がやむ。 赤い視界で奴を見れば、口角が上がったその口元が見えた。 奴にとっては、これはただの暇つぶしでゲーム。 けれど、俺達にとっては滅亡の日。 郁「…っ、<白龍>……」 臣「<黒龍>……っ」 振り絞って、出した魔法の龍も奴の矢でかき消されてしまう。        
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