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いつも、リミッターをかけていた。
それは意識してもの。
制限をかけていなければ、周りの人に被害が行く。
それだけでなく、自分にもかなりの負担が来てしまう。
精々、この身はヒトの身。
それを遙かに超えた魔力に器は耐えきれず、割れてしまうかもしれない。
けれど、今はそんなことは行っていられない。
頭の中でパチリと音がする。
リミットの解除音。
郁「<白壁>!」
臣「<黒壁>!」
全ての力を結界へ。
1本たりとも通らせない。
体中から溢れだした魔力。
突き刺さった矢がかき消えるが、その代わりに血が吹き出る。
この血の量は危ない。
そう分かっていても、手で止血をする余裕もない。
目の前まで迫った矢たち。
かつて、何十もの弓矢を受けながら倒れなかった男がいたらしい。
俺もそうでありたい。
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