第15章

50/71

4650人が本棚に入れています
本棚に追加
/621ページ
いつも、リミッターをかけていた。 それは意識してもの。 制限をかけていなければ、周りの人に被害が行く。 それだけでなく、自分にもかなりの負担が来てしまう。 精々、この身はヒトの身。 それを遙かに超えた魔力に器は耐えきれず、割れてしまうかもしれない。 けれど、今はそんなことは行っていられない。 頭の中でパチリと音がする。 リミットの解除音。 郁「<白壁>!」 臣「<黒壁>!」 全ての力を結界へ。 1本たりとも通らせない。 体中から溢れだした魔力。 突き刺さった矢がかき消えるが、その代わりに血が吹き出る。 この血の量は危ない。 そう分かっていても、手で止血をする余裕もない。 目の前まで迫った矢たち。 かつて、何十もの弓矢を受けながら倒れなかった男がいたらしい。 俺もそうでありたい。       
/621ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4650人が本棚に入れています
本棚に追加