第15章

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郁目線 どんどんと意識は遠ざかる。 こんな声では天には届かない。 拡声魔法をかけ、冷たいそれに身を預ける。 眼下には、焦った顔の先輩たち。 親父もカイル達もいた。 言葉を呟いた後、軋む体をこらえて、転移を行った。 時計となった十字架の上に。 天に向かう縦のラインに頬をくっつける。 自分と同じ暖かさだった。 潤「郁、降りてきてくれ!」 転移をした衝撃で血が流れ出る。 塞がりかかっていた傷が開いてしまったようだ。 黒の時計をちらりと見る。 もう10分を切っていた。 話したいことはたくさんあった。 したいことはもっとたくさんあった。 けど。 郁「……臣、」 臣「…かねてからの……願いが叶う…  喜ばしい事だ……」           
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