第15章

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空が割れ、太陽がその姿を現す。 ゼウス様に願いが届いた証。 それに知らず知らず、笑みが零れた。 これで、皆助かる。 一直線の太陽光を浴び、白い十字架が光り出す。 硬かった石の様なこれが、ぐにゃりと曲がる。 もう十字架の原形をとどめず、蔦の様なものが何本も現れる。 ル「さぁ、続き……!」 無数の矢とともに現れたルシファーは目を見開き、言葉を失う。 ル「何故だ!  お前は、そんな事をするはずねぇ!!」 ルシファーは理解できないのだ、根底から。 一度、そうだと思いこめば疑わない。 自分の価値が他の人にとってもそうだと信じて疑わない。 だからこその傲慢。 だからこその強欲。 郁「…お前には…一生分からないさ……」 蔦の1本がまとわりつき、俺を地面に下ろす。 他の蔦らはルシファーの方へ向かって行く。 それらを矢で応戦していくが、敵うわけがないのはルシファーも知っている。      
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