第15章

63/71

4650人が本棚に入れています
本棚に追加
/621ページ
あの蔦にはゼウス様の力がこもっている。 親が子に適うわけがない。 潤「…郁……」 今度は俺が先輩達を見上げる格好となる。 泣きそうに歪んだ顔が痛々しかった。 胸が痛むけれど、こんな表情にさせたのは俺だ。 郁「……」 何も言葉が出てこなかった。 だから笑う。 先輩は俺の笑顔が好きだと言ってくれた。 だから笑う。 最後まで好きな俺でいられるように。 だから笑う。 潤「…っ、郁……」 暖かさに体を包まれた。 先輩の体が震えている。 先輩の肩越しに見えた皆の顔も歪んでいた。 瞳に涙をためて。 ル「くそぉ!!」 ルシファーの体に蔦が無数に絡みつく。       
/621ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4650人が本棚に入れています
本棚に追加