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ル「くそがぁ!!!」
郁「…共に眠ろう…ルシファー……」
絡みついた蔦は塔の様に天に向かって伸び、ルシファーを捉え、離さない。
幾重にも絡まり、大木のようにも見える。
白の結晶の大木。
そして、ルシファーが隠れて見えなくなりそうになった時。
1本の蔦が俺の方に伸びてくる。
郁「…先輩…生きてくださいね……」
そちらのほうに手を伸ばす。
ピクリと震えた体に気付かないことにした。
瞳から涙が一筋流れた。
体を少し離せば、先輩の顔が見える。
瞳に涙をいっぱいに溜めて、口は固く結ばれていた。
泣き顔を覚えていてほしくない。
最後は笑っていてほしい。
俺も笑っていたいから。
郁「愛しています……
きっと…先輩が思うよりも…ずっと」
蔦が俺の手を捉える。
優しくからみついて、俺を引っ張る。
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