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ルシファーの時のように棘は付いていない。
先輩の体を軽く押す。
とびきりの笑顔をあなたに。
覚えていてほしいから。
郁「…臣…先に行く……」
蔦が何本にも分かれ、俺を抱き上げる。
そして、白の大木の方に連れていく。
潤「郁っ!!」
手を握りしめられた。
それに留められる。
けれど、けして乱暴ではないけれど、確実に連れて行こうとする蔦に手がじりじりと離れる。
生きていたいと。
あなたの隣にいたいと。
一度願ってしまえば止まらなかった。
けれど、何よりもあなたが大切だから。
あなたを守りたかった。
あなたが泣いてくれる。
あなたの泣き顔は見たくなかったけれど、俺が離れることを悲しんでくれるのだと思ったら、不謹慎ながらも嬉しかった。
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