第15章

68/71

4650人が本棚に入れています
本棚に追加
/621ページ
潤目線 指先から温もりが消えた。 白の蔦によって、郁が俺から離れる。 潤「郁、郁っ!  待ってくれ!!」 もう郁に会えない。 今捕まえなければ、二度と。 けれど、伸ばした手は届かず、距離は離れるばかり。 茨が幾重にも巻き付いた塔の様なものに、郁は引きこまれていく。 その頬に一筋の光が見えた。 そして、とうとうその塔に郁は辿り着き、蔦によって縫いとめられていく。 両腕を真横に広げ、足を真っ直ぐ揃えた、十字架のような姿勢で。 とても神聖なものにも見えた。 けれど、それが郁であるとういう時点でそんなものは消しとぶ。 潤「郁、郁っ!」 白「止まれ、鷺ノ宮潤」 走り込んでいこうとすれば、目の前に現れる久しぶりに見た白羅。 白「白魔法を完成された  もはや、どうすることもできまい  郁様は、お勤めを終えられたのだ」 潤「終わってねぇ!!」
/621ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4650人が本棚に入れています
本棚に追加