第15章

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まだ、死んでねぇ。 あんなに暖かかった。 涙を流していた。 その時、弾けるような光が塔から放たれる。 突き刺すようなものではなく、包み込むような光に目が反らせなくなる。 潤「郁……」 郁の体から、何かが出てくる。 透き通った何か。 それは人の形をなしていく。 潤「郁っ!」 郁とよく似た、けれど女性の透き通るそれ。 それはこちらに向かって微笑む。 言われずとも分かった。 これは郁の魂。 ふわりと郁の体から抜けると、こちらに浮きながら進んでくる。 そして、俺の頭をその胸に抱きしめた。 温もりも感触も何もしなかった。 ただ風が纏わりついているようだった。 白「幾重もの年月、ごくろうさまでした  お休みなさいませ」         
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