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深く深く頭を下げる白羅。
周りを見渡せば、現れていた使い魔たちが皆頭を垂れていた。
そして、天から光が差す。
それに溶けるようにして、郁は消えていく。
潤「待て、待ってくれ!
お前なしじゃ、俺は……!」
ふわりと口に手を当てられる。
何も言わず、ただ微笑んでいた。
臣「死ぬわけじゃねぇ…眠るだけだ…」
苦しげに横たわっていた兄貴が体を起こす。
その腕には呉羽がしがみついていた。
臣「…必ずいつか…目覚める……」
段々見えなくなる、郁。
上半身しかもうない。
潤「なら、待ってる
郁が目覚めるまで、ずっと……」
見開いた瞳に引き込まれそうだった。
色は違っても、ひたむきさと強さは変わらない。
泣きそうに笑った顔。
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