第16章

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臣「俺達が消えた後、上手くいっていたら  呉羽と潤は手に石を握っているだろう  それは、俺達の心だ」 郁「イヴでもアダムでもない、郁と臣の心  初めてのことなので、分かりませんが、  上手くいっていることを願います  その石が俺達の目覚めを教えてくれます」 臣「そして、それはお前達の心の指標でもある  俺達は、お前達に待っていてくれとは言えない  永遠に俺だけを愛してほしいとも言えない」 郁「俺達は違うから  もし、先輩たちが他に愛しい人が出来たなら、  何も気にせず、その人を愛してください」 臣「お前達の心から俺達への恋心が消えた時、  その石も消滅する  試すみたいだが、そうすることが最善だろう」 郁「俺達は憶病なんです  想われないと、想う事が出来ない」 臣「最後に、呉羽、愛している  例え、お前が誰を愛そうとも、  俺はお前を想い続けよう」 郁「潤先輩、愛しています  例え、貴方の隣にいるのが俺でなくても、  永遠に」 臣「……言ってみてなんだが、クサいな…」 郁「今更?  良いんじゃないかな、  ほら手でも振っといたら?  先輩たちがいるかもしれないんだし」 臣「じゃあ、お前も笑ってやったらどうだ?  潤の奴、お前の笑顔が好きなんだとよ」 郁「……」 臣「真面目に照れんなよ」 郁「うるさいよ」           
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