第16章

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呉「……まぁ、いいです  臣、郁、今日は遅くなって、すみません」 消える間際、郁に待つと言った。 その気持ちは変わらない。 だが、この狂おしいほどの想いを俺はどうすればいい。 溢れて、溢れて、弾けそうなこれを。 その頬に触れたい。 その体を抱きしめたい。 呉「半年経って、町も活気づいてきましたよ  みんな、2人のおかげです」 郁、郁、郁。 何故、こんなにも近くにいるのに。 こんなにも遠い? 呉「どうして、そんな顔をしているのですか?  2人は目の前にいるのに」 ずっと、郁たちに話しかけていたと思っていた呉羽が目の前に立つ。 逆光で、その表情はよくわからなかった。 しかし、声色から少し怒っているのだと分かる。 いや、怒っているのとは少し違うか。 憤っているのか。             
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