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呉「……まぁ、いいです
臣、郁、今日は遅くなって、すみません」
消える間際、郁に待つと言った。
その気持ちは変わらない。
だが、この狂おしいほどの想いを俺はどうすればいい。
溢れて、溢れて、弾けそうなこれを。
その頬に触れたい。
その体を抱きしめたい。
呉「半年経って、町も活気づいてきましたよ
みんな、2人のおかげです」
郁、郁、郁。
何故、こんなにも近くにいるのに。
こんなにも遠い?
呉「どうして、そんな顔をしているのですか?
2人は目の前にいるのに」
ずっと、郁たちに話しかけていたと思っていた呉羽が目の前に立つ。
逆光で、その表情はよくわからなかった。
しかし、声色から少し怒っているのだと分かる。
いや、怒っているのとは少し違うか。
憤っているのか。
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