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イエスの息が絶えた時、人々は涙を流し続けた。
イエスのことを知らなかったものまでも、涙を流し続けた。
イエスの教えから、人々は理性と倫理と道徳を確立させていった。
しかし、アダムとイヴは悲しんだ。
そして、イエスの恋人であったマリアも嘆き続けた。
人々を憎むことはしなかった。
憎むことは邪であると分かっていたからだ。
せめてもと思い、アダムとイヴはイエスとマリアに自分たちの持つ生まれ変わりの力を分け与えた。
しかし、それは上手くいかず、1回しか生まれ変わることが出来ないようだった。
イエスは考えた。
そして、ゼウスの言っていた言葉を思い出した。
地上は1000年で終わりを迎えるだろうことを。
ヒトの1000年ではなく、神の1000年。
遙かに長い年月だが、地上はいつか滅びる。
イエスは人に殺されながらも、自らの兄弟達を愛していた。
守りたいと思った。
だから、何時か地上が滅びる時にまた生まれ変わることを誓った。
その時は、マリアも一緒だと。
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