―1― 終わりと始まり

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「分かりました。リアンディスさん」 ――俺の旅人という職業を捨てて、承諾した。 「…!! ありがとう!!」 リアンディスさんは涙を流すほど暗い顔から一変して、元の明るい顔に戻った。 「旅人としてのゴールは、ここで良いかなぁ、と思いました。そんな依頼をされてまで旅を続ける必要はないですから」 俺は笑顔でそう言う。 「君は、なんて優しい人間なんだ…」 「そんな事ないですよ。ところで、なんで俺に依頼したんですか?」 気になるのはその事だった。 別に俺じゃなくても良かったんじゃないか、と思うのだが。 「君からは優しいオーラが感じられたからだ」 「え?」 「君なら、メイリーンを守ってくれる、そう思ってね」 リアンディスさんはそう言い、微笑む。 「は、はぁ…」 「はははっ。では、よろしく頼むよ。ルイン君」 リアンディスさんはそのまま扉の方へ歩いていく。 そして、 「メイリーンをよろしく…」 そう呟き、出ていった。
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