―2― 幕開けとグローベル

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チュンチュン。 ふと、鳥の囀りが耳に届き、目をゆっくり開く。 「あら、起きてしまいましたの?」 そこには、大人っぽい顔立ちに、ピンク色のロングヘアーを持つ女性、メイさんがいた。 歳は俺と同じ23歳らしいが、ここまで差がでるんだなぁ。 俺と隣に並んだら確実に先輩と後輩に見られるだろう。 で、そのメイさんは顔を少し近付けるとぶつかってしまいそうなぐらい近い位置で俺の顔を除きこんでいた。 「メイ…さん…?」 目の前で俺の顔を覗いているその名前を呼ぶと、彼女は、ふふっと微笑んだ。 「えーと…おはよう」 「おはようございます。ルイン」 挨拶を返してきて、もう一度彼女は微笑む。 「で…一体何してるの…?」 恐る恐る尋ねてみた。 「え!? あ…あぅ…そ、その…ルインの寝顔が…とても可愛いかったので…」 「えーと……それは喜べば良いのかな…?」 「ルインが思うように反応して下さいませ…」 「あはは…それより、メイさん」 「はい、なんですの?」 メイさんはそう言い、きょとん顔になった。 そして、俺は言った。 「顔が近すぎるよっ…!!」 「えっ…? あ……ひゃう!?」 すると、メイさんは大きく後ろにのけ反った。 「うぅ……」 そして、顔を真っ赤に染めて、上目遣いでこちらを見てくる。 うっ…可愛いな…。 普通の顔だったら、美しいと思えるが、今はどちらかというと可愛いと思える。 そんな事を考えながら、ベッドから体を起こす。
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