―2― 幕開けとグローベル

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「おはようございます。ルイン様」 階段の最後の段を下りると同時に、ニコッと笑顔のアリアーネさんが挨拶してくる。 「おはようございます」 こちらも笑顔でそう返す。 それから、昨日と同じ椅子に座った。 正面では、朝食のパンを食べているメイさんがいる。 「ふぁふぁふぁふぇふぁふぃふぇ、ほはふぉふほはひはふ」 ………? メイさんが呪文みたいな言葉を呟いた。 いや、こんな呪文があるわけないか。 「ゴクン。改めてまして、おはようございます」 パンを飲み込んだメイさんは、さっき言った事を繰り返した。 そう言ってたんだ…。 「うん、おはよう」 挨拶を返すと、左側からアリアーネさんが俺の分の朝食とコーヒーを机に置いてくれる。 コーヒーからは香ばしい香りが漂ってくる。 「どうぞ、召し上がって下さい」 またニコッと微笑み、アリアーネさんは奥に戻っていった。 「いただきます」 手を合わせ、そう言って、朝食に手をつける。 朝からフランスパン3つは多い気がしたけど、頑張って完食した。 コーヒーは、香ばしい香りだけあって、とても美味しかった。
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