ボリアリのその後……

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その頃のボリス(父)とアリス(母) 「……でさ、おっさんが新しいアトラクションを作った、とか言うから遊んでみたんだけど、おっさんの作ったアトラクションって全部ゆるいんだよな~。だから昨日また改造してやったんだけど、どうなってるか後で行ってみないか?」 「……ボリス、また改造したの?……見るなら一人で行ってきて。私とサーナは先に帰って……」 「えぇ~!! 何で? 絶対面白いって! なんたって、俺が改造したんだから! 」 「いやボリス、そういうことじゃなくてね……」 (だって、昨日改造して、まだ怒られてないってことは……今日、しかもそろそろゴーランドさんが銃を持ってボリスを追いかけまわす頃ではないだろうか? あんな体験はもう充分だ) そう思って、サーナの手を取って帰ろうとしたのだけれど…… 「……あれ? サーナ? …………ボリス!! サーナが!!!! 」 何やら、ティーカップ……竜巻(?)を見て喜んでいるボリスに声をかける。 「……ん? 何? ……あれ。サーナは? 」 「だから、サーナが居ないんだってば!! 」 「あぁ……サーナ、アリスと違って、俺みたいに好奇心旺盛だもんなぁ~」 「……もう好きって言ってやんない。キスもしてやんない。抱きしめさせてあげない。」 「え。あ、アリス、ごめん!! アリスのことをけなした訳じゃなくてさ……ごめん。この間、宰相さんに聞いたんだよ。アリスがウサギを追いかけてくれなくて苦労したって。」 ボリスの耳が、元気をなくして力なく垂れ下がる。 (……あの××××ウサギ!! ……後であの耳引っこぬいてやろうかしら) 「……分かった。分かったから、ね? 」 耳をペションと垂らしてしょんぼりしているのを見ると、なんだか私が罪悪感を感じてしまう。 ……でも、私が罪悪感を感じることかしら? 悪いのはボリス、いや、あの白ウサギのはず……。 私もさすがにこの国に馴染んじゃったから、頭が狂ってるわね……。 「はぁ……ぅあ!? 」 溜め息をつくと、後ろから飛びかかられた。 「俺、アリス大好きだぜ! ありがとなアリス!! 」 さっきまでがウソのように、ニッコニコしながら頬をスリ寄せてくる。 「さ、アリス、はやくサーナを探そう」 ボリスの変わり身のはやさにはもう慣れたのだが…… 「う、うん、そうね……」
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