ボリアリのその後……

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二人で息を弾ませて……いや違った。 息を弾ませた私と、涼しい顔をしているボリスはやっとサーナを見つけた。 「あ。あっちにサーナが居たよ、アリス!! 行こう! 」 「ボリス……さ、先に行ってて……私、歩いて行くから……」 (さすがに、もう限界……。私、ボリスみたいにネコじゃないから、そんなに体力ない……) そう思って、握っていた手を離そうとしたのだけれど…… 「ダメだよ、アリス。俺、離さないから」 「で、でも私、もうムリ……」 私が、そう言うとボリスはニヤリと笑った。 (……なんだか嫌な予感が…………) すると、ボリスは器用に私の手を握ったまま私を抱え上げた。 ――しかもお姫様抱っこ。 「ちょ、ちょっとボリス! 恥ずかしいから下ろして!! 」 恥ずかしくて顔から火が出そうだ。 「ヤダ。俺はアリスもサーナも好きだから、アリスを置いて行く事もサーナをほったらかしにする事もしたくないんだ。」 「だからって何でお姫様抱っこなのよ~~……」 絶対に顔が真っ赤になっているから、見られないようにボリスの肩に顔を埋める。 (あ。ボリスの匂い……なんだか安心する……) チラッとボリスの肩越しに園内を見ると、皆(主に従業員さんたち)がこちらを微笑ましげに見ている。 (…………恥ずかしい……。これ以上ボリスが暴走しないようにしないと、私が危ない…………) 前を見ると、だいぶサーナに近づいていた。 「ねぇボリス」 「ん? 何、アリス? 」 「もう走れるから下ろして」 するとボリスは途端に不服そうな顔になった。 「えぇ~!! 俺、まだアリスとくっついていたいんだけど」 「……知るか。家で充分すぎるほど、くっついてるでしょ(ボリスがくっついてくる)」 「俺、全然 充分じゃないんだけど」 「……はぁ。ボリス、お願い。サーナの前ではちょっと恥ずかしすぎるから……」 そう言って俯く。 「…………分かった。じゃ、もうすぐだから歩いて行こうか」 そう言って、ボリスはストンと私を下ろしてくれた。 ボリスは、私が本当に嫌がることはしない。 基本的に無理強いもしない。 頭が良いから、人の気持ちをすぐ察することも出来る。 だから、見た目はともかく、性格(?)はこの世界においてはマトモに入る。……と思う。
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