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目を開けると、見たことがない場所にオレは居た。
「なん…だ…?ここは?オレ、なんでこんな場所に………」
思い出そうとしても思い出せない。
すると、不可思議な見た目の生命体がこちらへ飛んできた。
すかさずオレは身構える。
「おっと!そう身構えないでくれよ~、ボクはキミ達の世界の生き物じゃないけど、悪い生き物じゃないよ~?」
「ボクは、この世界に住まう悪魔さ。ようこそアラム君、ロスト・ラビリンスへ。」
「ロスト……ラビリンス…?」
「そうだよ、ここは過去が集まりし迷宮、ロスト・ラビリンス………ヒト達の誤った過去が集まるのさ…」
「ヒト達の誤った過去?」
「ヒト達には必ず間違って行ってしまった未来がある、その未来を変えるには誤った過去を修正する必要がある。キミはその誤った過去を修正する使命がある。」
「…はぁ!?なんでオレがそんな事をしなくちゃいけないんだ!」
「ボクに聞かれても困るよ……ボクが呼んだんじゃなくて、鏡が呼んだんだよ?」
「鏡…?」
その時、オレは思い出した。
幼なじみのミラの家の大掃除を手伝っている時に見つけた、不思議な雰囲気を漂わせる鏡……その鏡から眩い光が出てからの記憶が無い。
「っとするとあの鏡がオレを引きずりこんだのか…はぁ……」
「まぁまぁ、落ち込むことないよ♪キミの大切なヒト達の誤った過去を正しき未来へ修正して行けば、いずれ出られるさ♪」
………そんな単純な事なのだろうか…
「なぁ、お前……修正ってどうすりゃいーんだ?」
「お前じゃなくて、グルゥって名前だよ☆そこにある鏡に触れると過去へ行けるよ。そして、ヒト達の行動などが間違った方向へ行かないように助言したり手助けしたりする。ただそれだけさ♪」
「案外簡単そうだな。てゆうか、オレじゃなくてグルゥ…だっけ?お前が行けばいーんじゃねーの?」
「残念ながらボクはロスト・ラビリンスから出られないのさ…」
グルゥの顔が一瞬暗くなった気がした
「ふぅん…んじゃ、取りあえず行ってくるか。」
「頑張ってね~……………無事に抜け出せると良いけど…」
オレの鏡迷宮「ロスト・ラビリンス」からの脱出劇が今幕を開けた。
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