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とりあえずオレは、バレないようにミラの後を追った。
「しっかし、ミラってお嬢様だったんだな。幼なじみって言っても8歳の頃に初めて会ったから、それまでのアイツの事は全く知らないんだよなー。」
屋敷は思った以上にデカくて、彩色もかなり豪華だ。
広大な庭には日光により煌めく噴水、しっかりと手入れされた木々、隅々まで手が行き届いた部屋。
「かなりの金持ちだったんだな………」
でも、オレの知るミラはごく普通の女の子………なんでだ?…何かの事故や事件で貴族から一般人にされてしまったのか?
「するとオレはそれを阻止しなくちゃいけねーのか……」
オレが深く落ち込んだ時に、後ろから誰かに肩を叩かれた。
「キミ、ここで何をしている。」
「あ?あんた……誰?」
「それは私のセリフだ、ここはノーレイズ家の屋敷だ、招待も無しに立ち入って良い場所ではない。速やかに帰ってもらおう。」
白髪に白髭を生やしたいかにも執事らしい老執事だ。
「あ、いや、オ、オレは………ミラお嬢様に用があって来たんだ…いや、来たんです。」
「お嬢様に?しかし、キミは勝手に屋敷内に侵入し、うろついていた。それに、私は長年、ミラお嬢様に仕えているが、キミを見たことがない。」
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