第1章~ミラ・ノーレイズ~

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それもそうだ、オレは未来から来たんだからな。 「勝手に入ったことは謝りますが、どうしても話さなくてはならない事があるんです!」 「しつこいぞ、帰りなさい!」 そのままオレは屋敷の外に追い出され、門の鍵は固く閉ざされた。 「はぁ……どうしろってんだよ……このままじゃ未来は変わんねーよ………正しき未来なんかに出来ねーよ!」 大声で叫んだ瞬間、草村から誰かが出てきた。 「どうしたの?お兄さん?」 「ミ…ミラ……」 出てきたのはミラだった、青い大きな瞳でじっと不思議そうにオレを見ている。 「あ!あのさ、お嬢様!オレ、キミに伝えなくちゃいけない事があるんだ!」 「伝えなくちゃいけない事?」 ミラがそう返した時、誰かが走って来た。 「お嬢様!離れて下さい!ソイツはお嬢様を狙っている怪しい奴です!」 さっきの老執事だ。ものすごい剣幕でこっちに走って来る。 「ちょ………オレは過去を変えなくちゃいけねーのによ!ちくしょう!」 「お嬢様、明日の朝、またここで会えるか?どうしても話さなくちゃいけない事があるんだ、頼む!」 「…………ん、分かったわ、私には分かるアナタが悪いヒトじゃないって事が。」 そう言って彼女は可愛すぎる笑顔を見せた。 「じゃーな!お嬢様!」 オレは全力で老執事から逃げ出した。 「お、お嬢様!ご無事……ですか?はぁはぁ…」 「うん、大丈夫よヴェン。アナタこそ大丈夫?」 「も、もちろん大丈夫ですとも…はぁはぁ……では、お勉強の続きを致しましょうか。」 「嫌よ!バイバーイ♪」 「お、お嬢様ぁぁぁぁぁぁ!」 老執事から逃げ出したオレはバテていた。 「はぁ…はぁ……ここってどこなんだ?なんつー街だよ、シムダルクとは雰囲気が違うしよ……まあ、過去だから雰囲気違うのは致し方ない事なんだろうけどよ…」 息を切らしながらトボトボと街を歩いていると、ふくよかなオバサンが話しかけてきた。 「あらぁ?どうしたのボーヤ?顔色悪いわよ?」 「んぁ?あぁ、何も食ってないし、走り疲れてるからなぁ……気にしないでくれ~」 そのまま歩き出そうとしたら、襟首を掴まれた。 「だったらウチで休んでいきなよ!なんか食べさせてあげるしさ!」 オバサンはニカッと笑って言った。 「はぁ、断っても意味なそうだから世話になるわぁ…」 そうしてオレはオバサンの家へ向かった。
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