プロローグ

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「今日遅くなると思う。」 「りょーかい。ご飯は?」 「あー・・・作っといてくれ。」 朝ご飯―基、弁当の余りを食べながらの会話。 兄さんの帰りが遅くなるのは社会人なんだからしょっちゅうあること。 それは残業だったり飲みに行ってたりと理由は様々。 ま、あたしにとっては別に大したことはないし、晩ご飯がいるかいらないかが分かればそれでいい。 「ごちそうさま。んじゃ行ってくる。」 「行ってらっしゃい。」 スーツを着て鞄を持って出勤していく兄さんにヒラヒラと手を振る。 自分も食べ終わって兄さんの食器と一緒に洗う。 そしてそのほかの家事も全部終わらせる。 そうすればそろそろ大学に行く時間。 「戸締まりよしっ。行ってきまーす。」 返事はないけど言わなきゃしっくりこないんだよね。 あたしの1日はいつもみたいに始まった。 だからいつもみたいに終わると思ってた。
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