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「歩、おはよー!」
「おはよう、咲帆(サキホ)」
「ねぇねぇ、昨日のドラマのさ――」
元気な声で話しかけてきたのは親友の岩坂咲帆。
大学に入って最初に出来た友達で同じ学科、学部だから常に一緒にいる。
よく笑う明るい子だから皆から好かれる性格。
「あ、それからあの場面見た!?」
「どの場面?」
「だから、ヒロインの元に主人公が戻って来る場面!あそこ好きだなぁ。」
あの主人公カッコイイしね、なんて言う咲帆に少し笑った。
さっきから咲帆が熱弁しているのは最近しているとあるドラマについて。
天使である主人公がヒロインの願いを叶えにやってきて、その2人が徐々に惹かれていく―っていうもの。
咲帆の勧め(ほぼ強制的)もあって見出して見ればいい話でハマった。
「でも天使って実際いるのかな?」
「さぁ?案外いるんじゃない?目には見えないだけで。」
疑問に答えれば、そうかもね、なんて咲帆が嬉しそうに笑った。
幽霊もいるんだから天使がいたっていいよね。
あたしはさほど信じてないけど。
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