第壱話 ─噂─

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  食事の時はいつも競争で中身が良い物を取ろうと下男達は大騒ぎをする 俺は特に好みもないし食えればそれで良いと思ってるからそれに便乗するつもりはないんだけど… 吉造さんは自分が早く行ける時は大抵俺の分も取って居てくれる しかも良い物を……恐縮です… 「そういやあの噂知ってるか?」 「噂?」 「お前の噂 どっからが出所かは知らねぇんだがな」 おもむろに言われたその話題 俺の噂…?なんだろう? 「お前が殿さんの隠し子だって言うんだぜ? だから姫さんの側近を辞めさせられたって」 「なっ…なんですかそれ!?」 あまりの驚きに大声を出してしまい多少ガヤガヤとしていた部屋がしーんとなり皆が俺を見た 俺はキョロキョロと周りを見渡し肩を竦めた きっと顔は赤くなっているだろう 恥ずかしくて死ねそう… .
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