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「なにが狙いって?狙ってるものなど特には何もないよ。大神奏の存在自体が目障りなだけ」
「―――っ」
「裏の世界に帝王はふたりも要らない。ひとりいればいい」
「…だから、人質なんて姑息な手を使うんですか」
え?人質?
奏さんを誘き寄せるために誰が人質?
「もしかして…」
龍神会跡目の龍さんに目を移すと満足そうに笑って、わたしに顔を近づけた。
「お嬢さんの思っている通りですよ。あなたの妹さんをいただいてきました」
「なっ?」
急激に頭に血が昇る。
「あ、喰い物にはしてないので、そこは誤解のないように」
喰い物って…
「無理矢理に拐ってきたの?」
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