12378人が本棚に入れています
本棚に追加
それはそうだけど。
話さなくちゃいけないのかな?
どうしてか奏さんには知られたくなかった。
「…どうって言われても」
「…りおさん、その男、湾に沈められますよ」
「な、なんで?」
びっくりして身を乗り出したわたしを榊さんは厳しい顔をしていた。
「なぜなのか、わからないのですか?」
助手席の仁さんもちらりとわたしを振り返った。
「その男のことはいい。あんたは若のことをどう思ってるんだ?」
「どうって…」
返事に困って榊さんを見ると、
「りおさんの気持ちです」
「わたしは―――」
奏さんには感謝をしてる。
大事なひとだと思う。わたしを大切にしてくれるひとだと思ってる。
とても優しくて大好きなひと。
最初のコメントを投稿しよう!