命の恩人

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夜。 肌寒くなって風呂上がりにカーディガンを羽織ってキッチンに立つ。 今日は奏さん帰ってくるのが遅いんだなと思いながら、奏さんが好きなオムライスを作ってた。 ふわっ 美味しくできたからお裾分けしたいな。 ガチャガチャ バタン 隣の扉が閉じる音がして。 「奏さんお帰りなさい。お仕事お疲れ様でした」 話かけても、奏さんは屋敷に戻ってきてから機嫌が悪いのかずっと無言だった。 「これ、お裾分けです」 「ああ、ありがとう…」 大好きなオムライスもあまり喉を通らないみたいで半分以上残していた。 もしかして具合悪いのかな? 心配になって奏さんの額に手を置いて熱を計ろうとしたら、その手をすっと掴まれた。 「今日…学校で何かかわったことがなかったか?」 「えっ、特には何も」 樹のことも話すことでもないような気がしてた。 「榊から聞いた。クラスの男から告られたんだってな。そいつとはどんな付き合いなんだ?」 「ど、どんなって、幼なじみで同級生なんだけど」 「りおはそいつのことをどう思ってんだ?好きなのか?」
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