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そいつが好きなのか？
そう言われても、樹は友達。
それに嫌いじゃないよ？とっても大切な友達…
｢好きとは違うけど｣
｢―――けど？｣
｢付き合ってもっと相手のことを知れば好きになれるのかもしれないかなって思ってて…｣
｢―――なにっ？｣
眉をつり上げた奏さん。
｢まさか…付き合うつもりなのか？｣
｢え？｣
低くて冷たい声音にドキリとして奏さんを見つめた。
今までに見たことがない、心を閉ざしてしまったかのような闇色の瞳がわたしをじっと見下ろしていた。
｢―――奏さん？｣
｢りお、その男の名前は？｣
｢え？あ、あの…｣
戸惑って奏さんを見ると、奏さんはいきなり立ち上がって壁に向かって思い切り拳を振り上げた。
ガンッ
｢ふざけんなっ！｣
背中をみただけでその先の拳が震えてるのがわかった。
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