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「悪りぃ、加減できねぇ」
切ない吐息を吐きながら奏さんが囁いて。
痛くて苦しくて。
だけど幸せで。
奏さんにしがみつくと頬にくちづけをされてまた髪を撫でられた。
「―――奏さん」
「りお…おまえが好きだ」
誰よりもおまえが…
ブルッ
身を大きく震わせた奏さんを受け止めた。
恥ずかしくてでも嬉しくて。奏さんの腕の中にいるだけで。それだけで幸せな気持ちになれた。
愛してる。
そう奏さんが告げた一言が嬉しかった。
「誰よりも愛してる」
奏さんが耳を甘噛みした。
身体の奥底の痛みはまだあったけど、幸せで。
そうして。
わたしはその夜、心も体も大神奏のものになった。
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