プロローグ

3/5
前へ
/8ページ
次へ
充満する焼香の匂いと、哀れみの目を向ける親戚が嫌で僕は外に出た。 雨が止む気配も、弱まる気配もなかった。 全てを洗い流して欲しくて傘も差さずに出て行こうとしたその時だった。 ―リン。 鈴の音。 聞こえるはずのない音が確かに聞こえた。 僕は周囲を見回した。 すると、長靴を履きフードを被り、傘の取っ手に鈴を付けた少女がそこにいた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加