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誰かに教わったわけでも無いがホウメイは角が見られるとマズイと思っていた。だから町に行商に行くさいには、頭に布を巻き付け町に行く。
しかしホウメイはこの角が気にっていた。
形は歪な三角錐で、水晶体の様な材質で透明だ。日の光りに当たると乱反射して模様を辺りに映す。
今日も町に行き、商品を並べなければならない。
長い布を器用に、手慣れた手つきで自分の頭に巻き付けると、商品を持って小屋を出る。
山を走るのも手慣れたもので、今や自分の庭の様なものだ。
街につくといつもの場所に、いつものように商品を並べる。
ホウメイ「いらっしゃーい、いらっしゃい」
余り商品は売れないが、お情けで買っていく人が何人かいる。
磨れた考えだが、自分がもう少し年齢を重ねると、段々と売り上げが減るのも何となく解っていた。
いつも買っていく男の子がいる。
ギルドの人間なのか、冒険者風の男女の後をくっついて歩く男の子。
名前は<レイ>と言うらしい。
レイ「いつもの下さい。」
ホウメイ「いつもありがとうございます」
今日は「いつも」と付け足してみた。
レイと呼ばれる子はニコッと笑い
レイ「ありがとう」
と言って商品を受け取る。
腰には一丁前に大きめのナイフを装備している。
ここウラギストンは、治安は悪いが傷を負わす者は少ない。
子供にあの大きめのナイフは、やりすぎだと思う。
思ってから、改めた。
まるで、嫉妬している様だったからだ。
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