出会い

3/3
前へ
/500ページ
次へ
「ああ、マナカさんか」       名札を見た。     どうしても、この人の名前を思い出すことは出来なかったからだ。         「名札見たでしょ?」       ……バレてたか。         よし、ごまかそう。           「あ、本だっけ?携帯の説明書だよ」         「学校で読むようなものじゃないよね……     ――って話をそらすな!」         キーンコーンカーンコーン         馴染みの鐘が鳴る。       チャンス、だ。             「俺、授業始まるから席に戻るよ」           「逃げるなー!!」           訪問者の声を背中に受けながら、俺はベランダから自分の席に戻った。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1504人が本棚に入れています
本棚に追加