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奇跡を目の当たりにして、私はあの冴えないおじさんが神様だと、80%くらい信じた。
だから、あのソバ男を見つけねばならない。
とにかく、あれこれ考えるのはそれからだ。
ただ…。
「もう、だめ」
体力的限界だ。
前に進もうとする意志とは反対に足はあがらなくなり
とうとう止まってしまった。
「ハァハァハァ」
息がきれる。汗が吹き出てあつい。しんどい。
「ミキちゃん、あら大丈夫?」
息ひとつ乱していない神様が、いつの間にか側にいて話しかけてきた。
いったいどうやって移動したんだろう。
本物と信じる心のメーターが80%から90%くらいに増えた。
「だいっ…ハァッ…じょ…じゃ…ハァッ…ない!」
自分的には100m走の速さでマラソンの距離を走り抜けた感がある。
それよりどうしよう。
ソバ男が見つからない。
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