そんなの無理!

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「探してみる」 これには私の人生がかかっている。 ただ、疲れたので明日また来よう。じっくり探せばいい。 「うんうん、そうするといいよ。ボクは別件があるからまたね。あ、とりあえず今日のうちにカレと言葉交わしてね」 神様は手をふって歩いていく。 「今日の内!?」 「そうだよ、ミキちゃん願掛けの時にそうつけ足したでしょ?あ~、余計なのつけちゃって。と正直思ったよ」 神様が振り替えって言う。 困ったような笑顔が口元に浮かぶ。 「それは弾みで…。そこ無しにしてもらえませんか」 焦って言う。 ソバ屋は無くならないからゆっくり探そうと思っていた。 もうクタクタだった。 「ごめんね、神様そういうのできないの」 足は棒のようだ。がんばってお洒落してはいたヒールが下からかかとを圧迫している。 今からまたソバ屋を探さないといけないかと思うと、わめきたくなる。 でも、途方にくれる私を残して、神様はスタスタとどこかに去っていってしまった。
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