エンさんの部屋

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ウロ覚えだったけど、なんとかエンさんのアパートに着いた。 ここで勘違いして知らない人の部屋の前でへたりこんだっけ。 なんだか、ずいぶん遠い過去の気すらする。 夕暮れの中で、ドアノブが鈍く光っている。 チャイムを鳴らそうとドキドキしながら指を伸ばす。 その時、ドアが開いた。 「…何??」 「え…?」 出てきたのはエンさんではなく、愛ちゃんだった。 予想もしてなかったので言葉が出ない。 「愛、どした?」 エンさんが奥から声を掛ける。 「ううん、何でもない!」 愛ちゃんが部屋に向かって言う。
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