1時間前の世界

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それは、紛れもなく自分の後ろ姿だった。 「私がいる…」 独り言が震える。 私を追いかける愛ちゃんを追うというのは、不思議な感覚だった。 ここは、確かに過去の世界なんだ。 迷いながら歩く過去の私はキョロキョロしていて 振り返りはしないかと心配だったが 道に気をとられて不思議な尾行には全く気づかない様子だ。 このまま、愛ちゃん共々エンさんちに行くんだと思ったが 愛ちゃんは急に細い道にそれた。 こんな路地で、振り返られたら絶体に見つかる…。 ためらったが、 1時間前に戻って愛ちゃんを見つけたのには意味があるに違いない。 そのまま着いていくことにした。
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